高配当株は本当におすすめしないのか?!

Posted by佐藤 彩子onThursday, January 16, 2025
高配当株は本当におすすめしないのか?!

高配当株や高配当ETFは、多くの投資家にとって魅力的に見えるかもしれません。特に、安定した配当金を求める投資家にとっては、定期的な収入源としての利点が強調されがちです。しかし、実際には高配当株にはいくつかの重要なリスクとデメリットが存在します。この記事では、その理由を深掘りし、なぜ高配当株がおすすめされないことがあるのかを説明します。

高配当株のキャピタルゲインが期待できない理由

高配当株は一般的に成熟した企業が多く、株価の大幅な上昇、すなわちキャピタルゲインを得るのは難しいとされています。成熟した企業は成長が鈍化しているため、新しい市場や製品での急成長が期待できません。これにより、株価の上昇余地が限られ、短期的な利益を狙う投資家にとっては魅力が薄いのです。

キャピタルゲインとは?

キャピタルゲインとは、資産の価値が上昇したことによって得られる利益のことです。例えば、株を購入した価格よりも高い価格で売却することで得られる利益を指します。

減配や無配のリスクについて

高配当株のもう一つの大きなリスクは、配当金の減配や無配です。企業の業績が悪化した場合、配当金の支払いが減少したり、停止されたりする可能性があります。これは特に、配当を主な収入源としている投資家にとっては大きな打撃となります。

減配と無配の違い

  • 減配: 企業が支払う配当金の額を減らすこと。
  • 無配: 企業が配当金の支払いを完全に停止すること。

税金面でのデメリット

高配当株を保有することで得られる配当金には、所得税がかかります。このため、配当金が多ければ多いほど、税金の負担も重くなる可能性があります。特に、高所得者は高い税率が適用されるため、受け取る配当金の実質的な価値が低下することがあります。

税金の影響を受ける例:

配当金(年額) 所得税率 税引き後の収入
100万円 20% 80万円
200万円 30% 140万円

高配当ETFのリスク

高配当株だけでなく、高配当ETFにも同様のリスクが存在します。特にETFの場合、複数の高配当株で構成されているため、個別の企業の業績悪化がETF全体のパフォーマンスに影響を与えることがあります。

高配当ETFの代表例

配当金生活の現実

高配当株やETFを利用して配当金生活を目指すこともありますが、これには多額の投資資金が必要です。例えば、月に10万円の配当金を得るためには、約3000万円以上の資産が必要と言われています。これにより、多くの投資家にとって現実的ではない場合があります。

必要な投資額の例

月額配当金 必要な投資額
5万円 約1500万円
10万円 約3000万円
20万円 約6000万円

よくある質問とその答え

高配当株は長期投資に向いていますか?

高配当株は安定した収入を提供する可能性があるため、長期的な視点での投資には適していることもあります。しかし、減配や無配のリスクを考慮する必要があります。

高配当株とグロース株のどちらが良いですか?

投資目的やリスク許容度によります。安定した収入を重視するなら高配当株、成長性を重視するならグロース株が向いているかもしれません。

高配当ETFは個別株よりも安全ですか?

高配当ETFは分散投資の効果があるため、個別株よりもリスクが低いとされていますが、ETF全体のパフォーマンスは市場全体の動向に影響されます。

高配当株はどの業界に多いですか?

高配当株は一般的に金融、エネルギー、公益事業などの業界に多く見られます。これらの業界は比較的安定しているためです。

配当金はどのように使うべきですか?

配当金は再投資して資産を増やすこともできますし、生活費の補填として利用することもできます。個人の投資戦略に応じて使い方を決めると良いでしょう。

高配当株の選び方は?

企業の業績、配当利回り、配当履歴などを確認し、信頼性のある企業を選ぶことが重要です。

結論

高配当株は、安定した収入源としての魅力がある一方で、キャピタルゲインの期待が低く、減配や無配のリスク、税金面でのデメリットなどが存在します。投資家はこれらの要素を考慮し、自分の投資目標やリスク許容度に応じて判断する必要があります。高配当株への投資を検討する際は、リスクとリターンのバランスを見極め、慎重に選択することが重要です。